子供だけでなく大人も楽しめる「名探偵コナン」の映画。

今回は1999年のGWの名探偵コナンの映画『世紀末の魔術師』のあらすじについてです。

“名探偵コナン”の中で特に人気キャラである怪盗キッドが初めて映画に登場したのも本作『世紀末の魔術師』です。

本作では、ロシア帝国のロマノフ王朝の歴史的くだりも登場して、子供だけでなく、大人も引き込むストーリーとなりちょっとした歴史のお勉強にもなります。

ネタバレ含みますので、まだ映画を観てない方はご注意ください。

【執筆は映画が大好きなライターSUGURUさん(30代、男性)です】

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【世紀末の魔術師】あらすじ、怪盗キッド登場


怪盗キッドがメモリーズエッグを狙った予告状を送りつけ、大阪県警を翻弄します。

メモリーズエッグとは、鈴木財閥の蔵で見つかったロマノフ王朝の緑色をした「インペリアル・イースター・エッグ」の事です。

文字通り、卵のような形をした手乗りサイズのお宝です。

鈴木財閥とは、毛利蘭の親友の鈴木園子の父、鈴木史郎が会長を務めている超お金持ち大企業です。

コナンや蘭、そして毛利小五郎は、園子の用意したリムジンに乗って、エッグが展示される大阪にある鈴木近代美術館へ向かいました。

リムジンの運転手西野真人(29)は、会長の秘書でもあります。

本作前半では、平次が活躍しました。

コナン(新一)と違って、バイクを乗り回す姿は中々にカッコいいです♪

のちのち出てくる、コナンと一緒にキッドを追いかけるシーンは本作最初の見どころです。

そこに行く前に、鈴木近代美術館では、服部平次と遠山和葉と合流したコナン一行が、さっそく鈴木会長に挨拶です。

と同時に、メモリーズエッグのお披露目タイム。

そのお宝に、始めこそぱっとしないと思った平次ですが、メモリーズエッグの細かな構造を鈴木会長が披露すると、一同目の色が変わりました。

エッグは蓋をあけることができ、その中には、金でできた人形がその子供らに、本を読み聞かせる光景が作り込まれていたのです。

ネジ(ゼンマイ)を回すと、それがせり上がってきます。

ただ、このメモリーズエッグには秘密があるようです。

ロシア皇帝が、その妻皇后へのプレゼントとした物なのに、宝石ではなくガラスが装飾に使われていたからです。

コナン君は相変わらずこういうところに、よく気がつきます。

一部ガラスでできたエッグではありますが、これを欲しいという人が多く現れます。

というのも、この少し前、ある人達がエッグを求めて鈴木会長のもとに集まっていました。

  • 美術品のブローカー、乾(いぬい)将一(45)
  • ロシア大使1等書記官セルゲイ・オフチンニコフ(41)
  • ロマノフ王朝研究家の中国人、浦思青蘭(ほしせいらん)(27)
  • フリーの映像作家、寒川竜(さがわりゅう)(32)

  • 乾は、8億円以上を出してでもエッグを買いたいと意欲を見せます。

    セルゲイは、元々エッグはロシアの物だから寄贈して欲しいと会長を説得しようとし、乾を「得体の知れないブローカー」と罵って、乾を怒らせていました。

    当然、乾はエッグを買い取ったあと、さらに値を釣り上げて売るわけですから、セルゲイにはそう見えるのも当然です。

    そういったやり取りにビデオカメラを向けて、高みの見物している寒川は、見るからに性格が悪そうな男です。

    そのやり取りに入れない浦思青蘭は、高すぎるエッグに手が出ず、悔しそうにしています。

    このようにエッグには様々な人の欲望が渦巻いていました。

    こういった人間のドロドロとした所を描くのも、コナンの醍醐味の一つです。
    子供だけでなく、大人も楽しめる理由の一つでもあります。 

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    【世紀末の魔術師】あらすじ、怪盗キッドの予告状・狙いは?


    さて、キッドはこんな予告状を出していました。

    「黄昏の獅子から暁の乙女へ秒針のない時計が12番目の文字を刻む時光る天の楼閣からメモリーズ・エッグをいただきに参上する 世紀末の魔術師 怪盗キッド」。

    大阪府警と合同捜査を行う、警視庁捜査二課の茶木警視と中森警部、そして毛利小五郎は、その予告状に対して、何となくそれっぽ~い答えをひとまず導いて、キッドを待ち受けることにしました。

    当然、彼らの推理にコナンや平次はしっくり来ていませんでした。
    といっても、二人も明確な答えを導けずにいました。

    ところが大阪観光をし終えたコナンと平次が鈴木近代美術館に戻ると、門前で鈴木会長に会いたいという女性が老執事を伴って、会長秘書の西野真人にアポを取り付けようとしていました。

    女性は、パティシエでもある香坂夏美(27)。
    彼女は由緒ある家の出身の人であるだけでなく、沢部蔵之助(65)という執事を伴えるほどのお金持ちな上に、中々の美人さんでした。
    そして彼女は、メモリーズエッグが「曽祖父の残した写真と違う」と西野真人に詰め寄っていました。

    時を同じくして、コナンと平次はキッドの予告状の答えにたどり着きます。

    ところが、その答えがまさに今この瞬間だったのです。
    ついに、颯爽と怪盗キッドが通天閣のてっぺんに現れ、“ショー”を始めたのです。
    盛大な花火を大阪一帯に打ち上げ、さらに変電所を爆破して、大阪中を停電にしてしまいました。

    エッグを守ろうとしている中森警部ら警察は、こういう時に備えて警備計画を立てていました。
    今までバカ正直に宝石を美術館やらに展示して盗まれてしまっていた中森警部は、別の場所にエッグを隠したのです。

    しかしこれこそがキッドの狙いです。
    メモリーズエッグを隠そうとしていた中森警部は、自家発電が可能な建物で構えていました。

    それが反対に、停電になった大阪ではとても目立つ存在となってしまいました。
    自家発電ができる場所は、病院やホテル等限られた場所だったからです。

    それどころか中森警部がいる場所は、キッドにとってはベストポジションです。
    なにせ中森警部はそこにエッグを隠していることを悟られないようにする為に、警備の数を多くは配置できないからです。

    そんなキッド優勢に、コナンと平次は必死で追跡をします。
    平次とのコンビネーションは見事だったものの、途中平次は事故にあってしまい、負傷してしまいます。
    命に別状はないものの、コナンだけで追跡せざるを得なくなりました。

    まんまとエッグを盗むことに成功した怪盗キッドですが、そこに怪しげな影が登場します。
    ハンググライダーで空飛ぶキッドめがけて、その影は銃口を向けます。

    さらに、一発の弾丸がキッドのモノクル(片眼鏡)を撃ち、キッドは海へ落ちてしまったのか、闇の中へ消えてしまいました。
    追跡中のコナンもこれに驚愕しました。
    エッグやキッドの相棒であるハトは無事だったものの、敵ながら消息が心配されました。 


    【世紀末の魔術師】あらすじ


    その後、警察が懸命に海を捜索するも、怪盗キッドの消息を掴むことはできませんでした。

    そういった経緯もあり、エッグの展示は取りやめが決まりました。

    また、外見上無事であったエッグも、念の為精密検査をする為に、鈴木家の大型客船に乗せて、東京に持ち帰ることとなりました。

    大型客船まで保有している鈴木財閥は、さすがというほどのお金持ちぶりをまたまた発揮していました。

    ただ、その客船には、例のエッグを欲しがっていた4人も乗船していました。

  • 乾将一:美術商
  • 寒川竜:映像作家
  • 浦思青蘭:ロマノフ王朝研究家
  • セルゲイ・オフチンニコフ:ロシアの一等書記官

  • 当然、エッグの持ち主の鈴木会長や秘書の西野真人、そしていつものコナン一行も乗っています。
    また鈴木園子もいて、つまり平次や警察といった大阪キャラ組を除いて、本作の登場人物が勢揃いしたわけです。
    これだけで、何か事件が起きてもおかしくない雰囲気を醸し出していました。

    その重苦しい雰囲気の中、香坂夏美とその執事沢部蔵之助がエッグのあらましを説明し始めました。
    その話は、会長にとっても初耳でしたが、エッグの図面まで夏美が持っており、その信憑性は高いものでした。
    図面は、夏美の曽祖父、香坂喜市から継承したものでした。

    そこにコナンがあることに気づきます。

    2枚の破れた図面をよく見ると、エッグのサイズが違うのです。

    つまり、大きな紙に2個のエッグが描かれたとコナンは推理しました。

    さらにコナンは偶然、エッグの底についていた小さな小さな鏡に、何かが描かれている事に気づきます。

    明かりを消し、鏡に光を照らし、角度を変えると、室内の壁にお城の絵を映し出したのです。

    乾によれば、これを「魔鏡(まきょう)」というそうです。

    BGMも相まって、中々鳥肌の立つシーンでもあります。
    BGMでは、鐘の音やストリングスが神々しさを表現していました。
    短い時間ながら、印象深いシーンでした。

    お城の絵には、香坂夏美が保有する(横須賀にある)古い城だったのです。
    曽祖父が立て、祖父が管理していたと、彼女は言っていました。

    そこから毛利小五郎は、2個目のエッグがその城に隠されていると推理し、乾はそれが見つかれば、15億円以上の価値があると興奮しました。
    当然、エッグを欲しがっていた人達も皆これに食いついて、香坂家の城へ行くことが決まりました。

    ところが、その前に事件が発生します。

    寒川が何者かによって、目を潰したようにして射殺されたのです。

    すでに、東京圏に入っていた海上の客船に、警察ヘリに乗って、いつもの目暮警部や白鳥警部補、そして高木刑事が実況見分やら捜査にやってきました。

    はじめ西野真人が犯人に疑われるものの、コナンは彼が犯人ではないことを立証しました。

    ただ小五郎を眠らさずに、自ら推理した事もあり、白鳥警部補の視線が自分に向いてしまいます。
    これに気づいたコナンはヒヤッとしました。
    自分の正体が明るみに出るのではないかと・・・。

    ただ、それは取り越し苦労なのかと思い、推理を続け、阿笠博士の電話の助言も得て“スコーピオン”が犯人だと突き止めました。

    スコーピオンは、ロマノフ王朝のお宝を専門に狙う国際的指名手配された凶悪殺人犯です。

    右目を執拗に狙って殺すのが、特徴でした。

    つまり、キッドを撃ったのもスコーピオンだったのです。
    また、寒川が殺されたのは、スコーピオンの正体を示す「何か」をビデオカメラに写してしまったからですが、結局スコーピオンの正体はわからず終いでした。 

    スコーピオンに対すると不安と心配もあって、白鳥警部補も、2つ目のエッグが隠されていると思われる横須賀の城へ来ることになりました。

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    【世紀末の魔術師】ネタバレ・犯人の正体は

    コナンは、白鳥警部補の不敵な笑みに背筋が凍りました。

    横須賀の香坂家の城についた一行。

    まるで、シンデレラ城のような古くも美しいお城は、メルヘンチックです。

    ちなみに、白鳥警部補によれば、この城はドイツ風の城との事でした。

    そしてついに城の中への探検が始まります。

    何故か少年探偵団と阿笠博士、そして灰原哀も合流することになりました。

    探検が始まると、乾の正体が見えてきました。

    城の中を案内をしてくれる執事の沢部蔵之助や周囲の目を盗み、一人単独行動をして、エッグ以外の城に隠された宝を見つけて、金庫から盗み出そうとしたのです。

    ところが、そうは問屋がおろしません。

    金庫には恐ろしいカラクリが設置されていました。

    金庫のある部屋の頭上から、何本もの剣やら凶器が、乾目掛けて降ってきたのです。

    間一髪助かった乾ですが、窃盗未遂の現行犯であることを皆に知られました。

    白鳥刑事がいたものの、この時逮捕はされませんでした。

    人の家で泥棒をしたら、逮捕される気がするのですが…(笑)

    香坂喜市の執務室に一同がやってくると、ラスプーチンの写真やロマノフ王朝にまつわるものが多くありました。

    ただ、小五郎や蘭は、ラスプーチンという人物をよく知りません。

    世紀の大悪党くらいの認識です。

    ここでは、コナンはカラクリ好きな喜市が何かを隠していることに気づきます。

    小五郎の吸うタバコの煙が風にあおられていることから、地下に何かがあると思い、床を探すと、ロシア語のアルファベットを入力する特殊なキーボードを発見しました。

    これは秘密の地下室の入り口を開くための暗号です。

    一同驚愕すると同時に、宝に近づいていることに興奮が増します。

    しかし、様々なキーワードを試すも、中々カギは開きません。

    その時、「バルシェ 肉買ったべか」という夏美が伝え聞いた、不思議な言葉をコナンは思い出します。

    また、それが本当はロシア語で「ヴォルシェブニック カンツァー ベカ」という言葉である事がわかりました。

    何とも、空耳日本語で笑い話のような暗号ながら、こう聞くととても意味深な言葉に聞こえるものです。

    さらに、それを日本語に訳すると、なんと「世紀末の魔術師」となるのです。

    ついに本作のタイトルへとつながったのです。

    例のロシア語をキーボードに入力すると見事に正解。

    なんと地下室への入り口が大きく開いたのです。
    城にめぐらされたカラクリが大きく音を立てて、その入り口が登場しました。
    その中に一同進んでいきますが、中は真っ暗な洞窟のようです。
    小さな懐中電灯の明かりを頼りに皆進んでいきました。

    そこに黒い影が登場します。
    コナン名物の全身黒タイツの人です(笑)ただ、笑ってばかりもいられません。
    その黒い影は、銃を組み立てていました。
    恐らくサイレンサーか何かをつけていたのでしょう。

    運悪く、その光景を見てしまった乾は、正体を見ると同時に射殺されてしまいました。
    「あ、あんたは!?(○○じゃないかっ!)」それが最後の言葉となりました。
    乾の知っている人物が犯人だったのです。


    虚しくも、彼の死に気づかないコナンと一同は、どんどん洞窟の先へ進んでいきました。
    そして大きな卵のような不思議な空間へとたどり着きました。

    その空間には、重厚な大型の棺があり、その中には遺骨と赤いエッグが入っていました。
    赤いエッグは、緑のエッグと違い、少し大きいながらも中には何も入っておらず、空っぽでした。

    それだけでなく、赤いエッグの中に、緑のエッグを入れることができることがわかりました。
    つまり、エッグは「2個で1個」の代物だったのです。

    なぜならば、どういうわけか緑色のエッグを持っていた白鳥刑事のおかげで、実際にエッグを入れて試すことができたのです。
    ただこの白鳥警部補の行動は怪しいものがありました。
    鈴木会長から借りてきたと彼は言いましたが…。
    ひとまず白鳥警部補のことはおいておき、エッグの秘密を明かそうとコナンは思案します。

    エッグにガラス細工が使われていることや、この秘密の地下道の数々に、それらを開くカギが、光や光度計であったことを考え、エッグにもその仕掛けがあるのではないかと…。
    まさにそれこそが大正解。

    大きな卵のような空間の中央に、エッグと懐中時計を起き、光を細くしてあてます。
    すると、2つのエッグが透けて、ネジ(ゼンマイ)も巻かずに、緑色のエッグの中の金の人形がせり上がります。
    エッグも光度計で動く仕組みで、細い光を無数に集めたエッグは、卵の空間を神々しく光のシャワーでいっぱいにしました。

    そして、皆の頭上には、数多くのロシア皇帝一家の写真、「アルバム」が「魔鏡」となって、映し出されたのです。
    これこそ「メモリーズエッグ」の名の所以です。
    またその中には、香坂夏美によく似た女性が写り込んでいる事にコナンは気づきました。

    コナン映画の中でも、「世紀末の魔術師」は今でも大変人気がありますが、まさにこのメモリーズエッグの秘密が心打つものだったからだと言っても、過言ではないでしょう。
    見ている人を幸せにする気持ちをよく表現していました。

    それとは真逆に、ストーリーは続き、“スコーピオン”がついに正体を表します。
    メモリーズエッグの秘密を知ったスコーピオンは、是が非でもエッグを我が物にしようとしました。
    銃口はついに、小五郎や蘭にまで向けられ皆の命が危険にさらされます。

    必死にコナンは彼らを守ろうとします。
    まるで、工藤新一のように…。
    蘭はその姿を見て確信したようでもありました。

    スコーピオンは、エッグを持ちさり、香坂家の城を火の海にしました。
    しかし、コナンはこの絶望的な状況でも、ヤツを追いかけ、正体を暴きます。
    蝶ネクタイ型変声機を使い、毛利小五郎や白鳥警部補、殺された寒川や乾、の声を使い分けて、犯人を追い詰めます。

    犯人は、怪僧ラスプーチンの末裔、浦思青蘭だったのです。

    しかも彼女は中国人のふりをしたロシア人。
    また「浦思青蘭」を中国語読みをすると、プースチンランとなり、これを入れ替えると、ラスプーチンとなるのです。

    これはアナグラムといい、名探偵コナンの作中では、よく使われる暗号の手法です。
    劇場版公開当時ではこういった事はまだまだ知り渡ってはおらず、見返してみるとコナンらしさがよく出ていることがわかります。

    ロシア皇帝とつながりが深かったラスプーチンに成り代わり、スコーピオンとしてロマノフ王朝の財宝を狙っていたのです。
    それらを見抜かれた浦思青蘭は、殺したはずの乾や寒川の声で聞かされ驚愕します。
    さらに、その声の主がコナンであることにも凶悪殺人犯ながら驚かされます。
    「僕一人だよ…」と。

    寒川が殺された理由は、鈴木財閥の大型客船の客室で、寒川のビデオカメラに、自身の持つラスプーチンの写真を撮影されたからでした。
    そこから自身の正体が発覚するのを恐れたのです。
    またスコーピオンは、小五郎がラスプーチンの悪口(「世紀の大悪党))を言った事をきっかけに銃口を向けるほどの残忍な性格であった事もわかりました。

    ここまで知ったコナンに、敵ながら感心するも“スコーピオン”浦思青蘭は銃を放ちます。
    ところが、コナンのメガネを弾丸は撃ち抜くことができませんでした。

    反対に、コナンに返り討ちにあいます。
    キック力増強シューズによって蹴られた城の美術骨董品の甲冑のヘルメットを腹に当てられたスコーピオンは、見事にノックアウトさせられました。

    ここでコナンのメインテーマの一つ「君がいれば」が流れ、コナン完全勝利です。
    しかし、実は裏で手助けをしてくれた人物がいました。

    カードを武器に使う人物によって…。
    燃え上がる城の中から、殺された乾を除き、一同皆無事抜け出すことができました。
    白鳥警部補はスコーピオンを連れていきましたが、一つ謎が残りました。
    怪盗キッドが現れなかったからです。

    予告状を出し、必ず出現する彼の行動からかけ離れていたからです。

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    事件解決後・・・キッドの目的は?


    やっと「日常」に戻ってきたコナンと蘭。
    小五郎が寝た静かな毛利探偵事務所で、蘭がコナンに語りかけます。

    蘭は、スコーピオンの銃口から守ってくれたコナンの姿に、工藤新一を重ね、コナンの正体に気づいたようにも見えました。
    涙する蘭は、恐らくコナンが新一であるという100%の確信はなかったかもしれません。

    しかし、そんな彼女にコナンは、「限界だな…。」「実は俺…本当は…。」と自ら諦めとは別の感情で正体を打ち明けようとしました。

    今では何十年も続くアニメコナンですが、この時ほど本当に正体をバラすのではないかと思った時はありませんでした。
    視聴者一同を釘付けにするこのシーン。

    しかし次の瞬間、思いもよらない人物が登場します。

    コナンしか見つめていないはずの蘭の視線は、毛利探偵事務所の入り口に向かいます。
    そこには何と雨に打たれた「工藤新一」が立っているのです。
    これには、コナンも驚愕です。

    雨に濡れた「工藤新一」を心配した蘭は、小五郎の服を貸そうと探偵事務所の上の階の自宅部分へと向かいました。
    しかしそれを「新一」は待つことなく、静かに去ろうとしました。
    それをコナンが止めました。

    「待てよ怪盗キッド」と。


    シーンがスコーピオンを取調べる場面へと変わると、目暮警部が、入室してくる白鳥警部補を褒め称えます。
    なにせスコーピオンを逮捕したのですから。

    しかし白鳥刑事は、「なんのことです?私はたった今軽井沢(の休暇)から戻ってきたところですが…。」
    目暮警部:(;゚д゚)え?あ~?
    つまりキッドが白鳥警部補に変装していたのでした。

    徐々にハトに包まれていく怪盗キッドは、コナンを軽くあしらいながら推理を聞いています。
    そして物語の真相が明らかになります。
    キッドの目的はメモリーズエッグを本来の持ち主である夏美に返す為だったのです。

    香坂喜市が「世紀末の魔術師」と呼ばれていたこともあって、予告状にそう付け加えたのでした。
    加えて、夏美の曾祖母が、ニコライ皇帝の三女マリアであった事も判明します。
    ロシア革命によって、皇帝一家は殺害されたはずでしたが、マリアの遺体は発見されていません。

    それは、香坂喜市によって日本に逃れていたからです。
    また二人には愛が芽生えて、子も生まれるも、直後にマリアは亡くなってしまいます。
    その子孫が香坂夏美だったわけです。

    香坂家の城が、ドイツ風であったのは、マリアの母アレクサンドラ皇后がドイツ人であったことに由来します。
    勿論、ロシア風にすることに躊躇いもあったのかもしれません。
    革命から逃げてきて隠れる身としては…。

    こうして香坂喜市は、マリアの遺体を安置する為にも、秘密の地下室を作り、棺には遺体と片割れのエッグを埋葬したのです。

    もう一つのエッグを手がかりに、将来子孫が見つけてくれることを願ったのでした。コナンはここまで推理を披露するも、キッドはこれらの秘密が「秘密」のままであることを望み、それはコナンもよく理解する所でした。
    そして最後にキッドは、なぜ厄介な好敵手であるコナンを助けたのかと謎掛けをします。

    多くのハトに包まれたキッドは、ぱっとハト達が飛び立つのと同時に、颯爽と去っていきました。
    ですが、コナンはすぐにその答えを導き出しました。
    それは、キッドがスコーピオンに撃たれた際に怪我をした、相棒の「ハト」を助けたからだったのでした。
    こうして静かに物語は終焉を迎えました。 

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    名探偵コナン映画【世紀末の魔術師】感想


    名探偵コナン映画『世紀末の魔術師』は山あり谷あり涙ありと、とにかく何度見ても飽きない作品です。

    名探偵コナンのシリーズを多く見ていると、犯人やストーリーの傾向も多くわかってきますが、公開当時にはわからない事も多く、より楽しむ事ができます。

    キッドが多く活躍する映画としては初めての作品で、のちに公開される「天空の難破船」や「銀翼の奇術師」に負けないくらい、キッド映画として一番の作品と言っても良いでしょう。

    またBGM全般がとても印象深く、その音楽を聞いただけで場面シーンを思い出すことができます。

    殺人事件が起きた時等の闇をイメージした曲は、のちのちテレビシリーズでは黒の組織が関わる事件でもよく使われるようになったりと、コナンを代表する曲も多く登場します。

    加えて、犯人の「わかりにくさ」もとても重要で、高評価です。
    子供視点では気にならないかもしれませんが、大人視点では犯人役の声(声優)にも注目しています。

    例えば、本作では嫌なフリーの映像作家の殺害されてしまった寒川さんは、大塚芳忠さんです。
    アニメだけでなく、外国映画やドラマにも登場するベテラン声優さんです。

    多数の作品に出ているのでここでは割愛しますが、例えば洋画では「ジュラシックパーク」シリーズや「インデペンデンス・デイ」シリーズ等にでています。
    正直この声を聞いたら、犯人と疑っても良いくらいですが、同時に悪役も上手なので、中々判断が難しい所です。

    殺される人に、悪い人は多いものですから(笑)また、真犯人であるスコーピオンの浦思青蘭の声の藤田淑子さんも大変なベテランさんです。
    2018年に亡くなってしまってとても残念ですが、彼女も多数の作品で活躍していました。
    アニメでは、「キテレツ大百科」のキテレツや、「デジモンアドベンチャー」の八神太一等主役級の声です。

    このように、声では判断がつかないのも重要な要素でした。

    またストーリーに関しても、文句のつけようがありませんでした。
    メモリーズエッグの秘密を明かすシーン(魔鏡が沢山の写真を照らすシーン)には、感動させられました。
    推理をつなぎ合わせて、きっちり答えが出たという意味でも、とてもスッキリするシーンです。

    歴史的な事象と掛け合わせてのトリックも繊密でした。
    それとは別に、コナンの正体という、作品の根幹にも関わるネタにも、ドキドキさせられました。
    本当に正体をばらしてしまうのではないかと思うほどで、結果的にバレないとわかっていても、ラストの涙する蘭とコナンの対峙するシーンは、心を打つものがありました。

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