
2016年に公開されたアメリカのSFスリラー映画『フィフス・ウェイブ』のあらすじや感想をご紹介します。
小説家リック・ヤンシーの同名全米ベストセラーが原作で映画化された作品です。
ネタバレ内容含みますので、映画をこれから楽しまれる方は読むのをご注意くださいね。
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映画『フィフス・ウェイブ』監督キャスト

『フィフス・ウェイブ』の予告動画です。
括弧内は日本語吹替
リック・ヤンシー【原作】 J・ブレイクソン【監督】 キャシー・サリヴァン:クロエ・グレース・モレッツ(沢城みゆき) ベン・パリッシュ (ゾンビ) :ニック・ロビンソン(木村良平) オリヴァー・サリヴァン:ロン・リビングストン(高瀬右光) リサ・サリヴァン:マギー・シフ(英語版)(槇原千夏) エヴァン・ウォーカー:アレックス・ロー(英語版)(小松史法) レズニック軍曹:マリア・ベロ(仲村かおり) リンガー:マイカ・モンロー(村中知) ヴォーシュ大佐:リーヴ・シュレイバー(東地宏樹) サム・サリヴァン:ザカリー・アーサー(英語版)(平井祥恵) ダンボ:トニー・レヴォロリ ティーカップ: タリタ・ベイトマン(英語版)(永野愛理) 【引用:Wikipedia】
映画『フィフス・ウェイブ』あらすじ

女子高生のキャシー(演:クロエ・グレース・モレッツ)は、ごく普通の女の子。
そして学校で何か特別不安があるわけでもなく、平和に過ごしていました。
しかし、その日常はある日突然終わりを迎えました。
地球に巨大物体(宇宙船/宇宙人)が襲来し、人類に攻撃を仕掛けてきたのです。
まず、電子パルス攻撃です。
あらゆる人類の科学技術や機械文明を封じる為、その“波”が地球全体に発射されました。
飛行機も飛行不能となり墜落し、車を動かすこともできなくなってしまいました。
勿論、携帯電話(スマートフォン)も駄目になりました。
これだけでも、今までの日常は成り立たなくなり、キャシー一家は安全な場所への避難を余儀なくされました。
しかし、これは始まりに過ぎませんでした。
“波”は再びやってきました。
大規模な地震を誘発させた宇宙船は、それにより大津波を起こさせ、各地の都市を水没させました。
海に面した都市は壊滅。
キャシーもその津波に巻き込まれそうになりますが、何とか助かりました。
家族も無事です。
これに飽き足らず、また“波”が発生しました。
あろうことか、あの宇宙船は鳥類を利用してきました。
世界中の鳥に伝染病をバラまかせ、人間にもその病気を感染させました。
しかも治療不可能で、人間はどんどん死んでいきました。
これにより、キャシーの母リサも亡くなってしまうのです。
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映画『フィフス・ウェイブ』あらすじ、ネタバレ含みます

徐々に追い詰められていく人類。
母の死を悲しむ間もなく、キャシーは父オリヴァーと弟サムの3人で、生き残った人達が集まったキャンプ場へと身を寄せることになりました。
そこへ、突如軍隊がなだれ込んできました。
あらゆる機械が使えなくなったはずなのに、急な軍の登場に人々は歓喜し、安堵しました。
軍は味方?敵?
軍の指揮官は、ヴォーシュ大佐という人物でした。
民間人を助けにきたという大佐は、子供を優先的に大型のバスに乗せて、軍の基地に向けてキャンプ場を出発させます。
ところが、キャシーは、サムの忘れたぬいぐるみを取りに行った為に、そのバスに乗り遅れてしまいました。
そんな時です。
キャシーはとんでもない光景を見てしまいました。
ヴォーシュ大佐が、残った大人達に対して、銃を発砲していたのです。
大佐によれば、宇宙人達が残った人間達の脳内に寄生していて、スパイをしているというのです。
これに大人達は酷くどよめき、互いを疑い合う始末となり、終いに銃を向け合う事態となったのです。
この為、大佐は「仕方なく」大人達を「皆殺し」にしたのでした。
その中には、父オリヴァーも含まれており、キャシーは声と涙を押し殺して、大佐ら率いる軍から密かに逃げ延びるのでした。
しかし、幼い弟のサムの事が気がかりでした。
軍の基地に向かったとはいえ、軍は大人達を殺したからです。
もう訳がわからないキャシーですが、とにかく基地へ向かうしかありませんでした。
エヴァンとの出会い
その道は遠く険しいものでした。
山中をひたすら歩き、時に生き残った人間同士で殺し合いをする事にもなりました。
キャシーはどんどん心を病んでいき、そんな最中(さなか)自分が狙撃されてしまいました。
足を怪我したキャシーが目覚めると、知らない山中にある家のベッドで寝ていました。
彼女を看病してくれたのは、エヴァンという男性です。
ただ、今までの事もあり、すぐに彼を信用することはできませんでした。
しかし彼女の予想に反して、エヴァンは誠実な男性でした。
戦う術を知っている彼は、キャシーに護身術も教えてくれました。
少しずつエヴァンに心開いていったキャシーは、かつての平和だった頃の日常の話も彼にするようになりました。
たわいない学生であったキャシーは、ベン(のちの愛称はゾンビ)という男友達に気があったことなど、自身の事を話すようにもなりました。
そしてこの短い間に、ついにキャシーとエヴァンは、男女の関係にまでなったのでした。
洗脳される子どもたち
ところで、サムの方はというと、軍基地に到着します。
またこの基地には、キャシーの男友達ベンも保護されてきていました。
同時にベンは、レズニック軍曹(女軍医)によって、宇宙人アザーズに寄生させられた子に(ガラス越しに)対面させられました。
寄生させられるともう取り除くことはできず、殺すしかないというのです。
そして、レズニック軍曹はベンに、その子を殺させるのでした。
敵に復讐しなさいと言って…。
このように、この基地ではサムを含めた幼い子供達までもが軍服を着させられ、新兵とされていったのでした。
ヴォーシュ大佐は、言葉巧みに彼らを操り訓練させていきます。
そして、敵はアザーズだと高らかに宣言します。
さらに(軍にいれば)「宇宙人アザーズに復讐するチャンス」とまで言う始末で、子供達はまんまとこの言葉にのせられてしまいます。
彼らの親を殺したのは、大佐であるのに…。
アザーズの正体・・・
そんな中でベンは、幼いサムを前線に出向かなくても良いようにしてくれるなど、気遣いができる少年(青年)でした。
そして自らは、子供達で構成された新兵仲間と共に、敵アザーズが寄生した街に攻撃をしかけるのでした。
ところが、敵の様子がどうもおかしいのです。
確かに時折攻撃はあるものの、敵は逃げ惑うばかりです。
これにベン達は怪しみ、ある驚愕の事実を知るのでした。
寄生したアザーズを見分けることができる装置を新兵は備え付けられていましたが、それこそがフェイクだったのです。
つまり、自分達が攻撃していたのは、同じ普通の人間だったのです。
こうして彼らはヴォーシュ大佐の正体に気づいたのです。
大佐達こそが、宇宙人アザーズであると…。
アザーズは、巧みに子供達を操って、生き残った人類を攻撃させていたのです。
自分達の手を汚さず、人間同士で殺し合いをさせていたわけです。
加えて、キャシーの方でも一悶着がありました。
あれほど信じ愛したエヴァンも、アザーズの一味だったのです。
これには、キャシーもショックを隠せません。
ただ、地球にてスパイ活動をしていた彼ですが、キャシーを思う感情は、宇宙人のアザーズにはないものでした。
それでも仲間を裏切ることができない彼に、キャシーはただその場から離れて、サムを一人で助けに行くしかなかったのです。
アザーズ基地からの脱出、エピローグ
話は戻って、ベン達生き残った子供達は、アザーズの基地から脱出を図ります。
また敵の隙をついて、攻撃を開始します。
同じ頃、キャシーも生き残った民間人を装って、基地内に侵入し、レズニック軍曹を倒しました。
その勢いで、基地内に進むとあちこちで爆発が発生します。
これはベン達の仕業ではありません。
なんと、エヴァンがキャシーの為に、仲間を裏切って助けてくれていたのです。
これはさすがのアザーズも想像すらしていませんでした。
キャシーとベンは基地内で久々に再会をし、見事にサムを共に助け出す事に成功します。
(ただサム以外にも多くの子供達が別の基地へと移動されようとしていました。)
(この子達がどうなったかは具体的には描かれていません。)
思わぬ自体に、ヴォーシュ大佐は急ぎ、崩壊が進む基地から脱出します。
途中、キャシーやベン達を見かけるも殺し損ね、苦虫をかみつぶすかのごとく、大佐は基地を後にするのでした。
やっとキャシーとサムは感動の再会を果たしました。
父母のいなくなったキャシーとサムは、互いに唯一人の家族…。
そんな風にも思いましたが、生き残った子供達みんなが今では“家族”です。
エヴァンがどうなったか気になるものの、仲間を信じキャシーはこれからも生き抜き、戦っていこうと決心するのでした。
感想

発想が決して悪くないだけに、かなり作品としてもったいない部分が目立ちました。
アザーズの攻撃法は、他のSF映画では中々見ないもので、ある意味とても斬新でした。
なにせ彼らは、とにかく自分の手を汚さないで、人類の数を減らしていったからです。
姑息な手段といえばそれまでですが、自分たちに被害を出さないという点では中々です。
本作タイトルのフィフス・ウェイブは、5つの“波”、つまりアザーズの攻撃(方法)を表していました。
よくある宇宙人が攻めてくるようなSF映画のように、物理的、直接的な攻撃をほぼしませんでした。
人間を殺す為の効率的な戦法は中々と感じました。
ただし、前半に予算を使いすぎたのか、後半のスケールが若干小さく感じました。
世界中に電磁パルス(第一波)や地震や津波(第二波)、伝染病(第三波)…とここまでは良いものの、その後がキャシー目線、ベン目線となった為、山中や基地内などにシーンが限定されがちでした。
予算がもっとあれば、良い作品となったことでしょう。
せっかく「宇宙人」がいるのですから、スケールはより大きいに越したことはありません。
また、ストーリーが「これからも戦いは続く」という王道中の王道で終わった為、次回作が待たれます。
「その後どうなったのか?」と思う事柄が多くあります。
物語ラストで良い働きをしたエヴァンの生死も、具体的には描かれていません。
続編を作ってこそ、ストーリーが完結するのでしょう。
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